
海外旅行経験者なら、誰もに思い当たることにひとつに、外国コインがある。余して帰国しても両替できないので、あわてて渡航先の空港でいらないものを買ったり......それでも残ってしまうのが小銭だ。かねてからどうにかならないかと思っていたところ、耳にしたのが、外国コインを日本で使える電子マネーにしてくれるというサービスが羽田空港にあるという。さっそく外国コインを携えて取材に向かった。
電子マネーやギフトにお手軽に交換できる画期的サービス!

外国のコインを持って帰ってきても帰国後は両替することができない。海外旅行に行ったことのある人なら誰もに覚えがあると思うが、出国前になるべく使うようにしても、いくらかは残ってしまうもの……そのまま記念コイン化してしまった外貨をいまだに持っているという人も多いのではないだろうか。
保管や移送コスト面から、世界的にコインの外貨両替はできないことになっているとのことなので、そこを追及してもどうしようもないが、なんとかならないのだろうか……と日頃から思っていたところ、最近渡航した知人から聞いたのが、羽田空港国際線ターミナルにあるという「ポケットチェンジ」という外貨両替の新サービスだ。
簡単操作で安心・安全にエクスチェンジ!

ポケットチェンジの特徴は以下の通り。
- 自国で使える多様なマネーサービスに交換できる
- 面倒な入力は一切不要なタッチパネルの簡単操作で完結。
- 個人情報を取り扱わないので安心で安全
両替に対応しているおもな通貨は、米ドル、ユーロ、中国元、韓国ウォン、そして、もちろん日本円。交換できるおもなマネーサービスは、楽天Edy、Amazonギフト券、WAON、iTunesやLINEのギフトコード……などなど。外貨をスロットにチャリンと入れれば、国内で使える電子マネーやギフト券に交換することができてしまう画期的なサービスなのだ。
すごいらしいということは聞いているが、実際にはどのようなものなのか、さっそく、死蔵に等しく眠っていた外貨コインを携えて羽田空港へと向かった。設置されているのは、国際線ターミナルの到着ロビー。到着口付近を見渡すと左側あたり、フリーWi-Fiカウンターの横にグリーンのATMのような機械が目に入る。帰国後に即両替ということできるわけだ。
しかし、新しいサービスを使うのは、いつでもワクワクする。さっそく「ポケットチェンジ」を利用してみよう。
基本的な操作方法は、以下の通り。
1.タッチパネルで言語を選択
案内の言語を選んでスタートをタッチすると取引開始となる。
2.交換先のサービスを選択
居住している国や渡航先の国・地域をここでは選ぶと、各々に応じた交換先サービスが表示される。たとえば外貨から円の場合は、前述した楽天Edy、Amazonギフト券、国内のマネーサービスが表示される。
3.現金を投入
コイン投入口にコインを入れる。複数通貨をまとめて入れることもできる。枚数が多い場合は、何度か分けて投入しよう。また、紙幣にも対応している。両替したい現金を入れ終わると、計算がはじまる。
4.交換レートを確認後、チャージ完了!
計算結果を確認し、交換先のマネーサービスを選ぶと、いよいよスタンバイとなる。ICカードタイプの電子マネーの場合は、カード本体あるいは、スマホをかざしてレシートを受け取って終了。
実際に利用して感じたのは、実にシンプルだということ。画面で操作をナビしてくれるので、迷うこともなかった。上記ステップで示した通り、両替したいお金を入れて、どのサービスにチャージするのかを決めるのみ。
ポケットチェンジがあれば、海外から帰国する際に、コインを使い切ろうと渡航先の空港で無理やり買い物をしたりして、あくせくさせられることもない。これから渡航する人は、記憶の隅に置いておきたいサービスだ。
ポケットチェンジなら中国最大の電子マネーにチャージできる!?
両替が済んでから、どのような人がポケットチェンジを利用するのか、しばらく張り込んでみた。すると、また一人、また一人と到着口からポケットチェンジに行っては換金していく。知る人には、かように便利なサービスだということが実感できた。そんななかで、これから出発すると思しき人がポケットチェンジに向かって、日本円を投入しようとしていた人がいたのでお話をうかがうと、これから中国へビジネスで渡航するとのことで、このポケットチェンジには、もうひとつ便利な使い方があるというのだ。
「ポケットチェンジは便利に使っています!ビジネスで中国にはよく行くのですが、現地についてから「WeChat Pay」へのチャージをするよりだんぜんラクですね!出発前にお手軽に換金できてしまうのがとってもありがたいです」
中国は、電子決済が世界一という電子マネー大国。「WeChat Pay(ウイ・チャット・ペイ)」という電子マネーサービスの利用者は、5億人を超えるともいわれている。また、偽札の流通率も高いため、その普及にいっそうの拍車をかけているようだ。そんな「WeChat Pay」へのチャージ換金を、ポケットチェンジで出発前に済ませてしまうというわけだ。チャージ方法も外貨→円と変わりない。レシートに印字されたQRコードを読み込めばチャージ完了する。ただしこちらで「WeChat Pay」のアカウントを新規開設することはできない。「WeChat Pay」を開設するには、中国の銀行口座などが必要になる。ただし、WeChatのユーザーから送金実績があれば、開設できることもあるようなので、中国に渡航されるかは調べてみるといいだろう。
かように便利なポケットチェンジだが、設置場所は徐々に増えてきている。現在は、羽田空港のほかに、成田空港、関西空港国際線出発ゲート、新千歳空港、福岡空港の各国際線フロアや、外国人観光客の多い新宿・歌舞伎町にも設置されている。詳細は、運営先のウェブサイトなどで確認してほしい。
取材・執筆:Addie M
◆株式会社ポケットチェンジ